抄録
アミノ酸混合物を用いリジン, イソロイシン, アルギニン, メチオニン-シスチン, アスパラギン酸を各々一つずつ抜いた試験群を設けて血清コレステロール値の低下をしらべた結果, 高カゼイン食のコレステロール低下作用にはアルギニン, アスパラギン酸は直接関係がなく, リジン, イソロイシンはコレステロール低下作用の一要素とみなされる。結局蛋白の質の良否を左右するアミノ酸バランスが最も重要な関係をもつものと思われ, バランスのとれたアミノ酸組成の蛋白が十分量あることが血清コレステロール低下の最も重要な条件であると考えられる。