抄録
1. 食餌蛋白の質と脂肪の吸収との関係をみるために蛋白源としてゼラチン, グルテン, カゼインを用い, シロネズミを飼育してその脂肪の吸収率を測定, 比較した
2. 脂肪の吸収率はカゼイン食に於いて最も高くグルテン, ゼラチンの順で低下した。すなわち蛋白が良質なほど脂肪の吸収がよいという結果を得た。ただし蛋白質による脂肪吸収率の差は, その栄養に及ぼす影響の差に比べると僅少であった。
3. リボフラビンの摂取量と脂肪の吸収率の関係を知るために, リボフラビンの投与水準を3群にわけてシロネズミの脂肪吸収率を比較した。
4. 脂肪吸収率はリボフラビン無投与に比べて, 2.5γ投与の群は或る程度向上しているが, 全体的に見て, リボフラビンの摂取量は脂肪の吸収に影響することは少ないことがみられた。