栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
腸内細菌によるこんにゃくマンナンの代謝機構に関する研究 (第6報)
こんにゃく粉炭水化物の生体内利用率について
印南 敏手塚 朋通
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1966 年 19 巻 1 号 p. 14-16

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抄録
こんにゃくマソナソが腸内細菌によって分解をうけ, 単糖類となり, その一部が腸管から吸収されてシロネズミの成長に寄与しているが, 実際にどの程度成長に貢献しているのか, つまりこんにゃくマンナソの生体内利用度を知る目的で実験を行なった。
すなわち, 飼料中の米でんぷんの半量をこんにゃく粉および寒天で置き換えてpair feeding法により飼育し { (終体重一消化管の重量) 一初体重} を真の体重増加量 (成長量) と考え, この値から生体内利用率を算出した。すなわち, 寒天群の成長量を0, でんぷん群のそれを100とすると, こんにゃく群のそれは44.7, つまり米でんぷん群の示す成長量の約45%の成長を示したことになる。換言すれば, 今回の実験条件ではこんにゃく粉炭水化物の約45%がシロネズミの真の成長のために利用されたといえる。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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