栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
蔬菜ペクチンの調理による変化
中山 葉子
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1967 年 20 巻 3 号 p. 194-197

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抄録
煮熟, 塩もみ, 酢漬の各調理法がにんじん, きゅうりだいこん中のペクチン物質の分解におよぼす影響を研究した。
1. にんじんの総ペクチン量は2.8%, 不溶性ペクチン量は2.2%, きゅうり, だいこんでは総ペクチンは1%, 不溶性ペクチン量は0.8%であった。またこれら蔬菜の可溶性ペクチンと不溶性ペクチンの比は, いずれも約1: 4であった。
2. 蔬菜のペクチン物質は煮熟により不溶性ペクチン総ペクチンが漸次減少し, 可溶性ペクチンが増加する。にんじん, きゅうりに比較してだいこんのペクチン物質の分解は非常に遅い。
3. 蔬菜のペクチン物質は食塩処理によっても生じるが, 煮熟による分解よりも遅い。塩もみによるペクチン物質の分解が生じる順序は, きゅうりが最も早く, ついでだいこん, にんじんの順であった。
4. 6時間の酢漬によっては蔬菜中のペクチン物質の分解は生じなかった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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