栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
食品中の酵素インヒビターについての調理科学的研究 (第3報)
小麦粉のアミラーゼインヒビターと調理 (その1)
別所 秀子黒沢 祝子
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1967 年 20 巻 4 号 p. 317-319

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抄録
アミラーゼインヒビター (AI) の測定法を定め, それにもとづいて小麦粉, その加工品中のAIを検討した。
1. 試験したいずれの小麦粉も約30単位/gのAI力を示した。小麦粉加工品のAIはいずれも原料小麦粉のそれより低かった。一般に, 角パンのAIは特に少なく, 一方ミルクパン, ホットケーキなどでは原料小麦粉の約半分或いはそれ以上のAIが認められた。
2. 加熱の度合とAI力の変化との関係を角パンについて, その焼き時間との関係に於いてAIを検した結果, 焼き時間と共にAIは減少し, 50分焼いたパンではAIは小麦粉のそれの約7%となった。しかし, 角パンでも中心部には或程度AIが残存していた。ただし, これもトースターで焼くと皆無になることが判った。
ホットケーキでは焼き方の性質上, 殆んど常にAIは50%も残存することが判った。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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