栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
油の調理化学的研究 (第3報)
即席ラーメンの脂肪について
橋本 美佐子森 量夫
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1968 年 20 巻 5 号 p. 363-367

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抄録
1. 市販即席ラーメンの脂肪の経時変化を測定するため, 製造直後のラーメンおよびこれを30℃に70日および30日間保存したものより脂肪を抽出した。
2. 比較のため脂肪にサラダ油を20%混用し即席ラーメンを試作し, 同様に保存した。
3. 抽出脂肪につき, 脂肪恒数の測定, モノマーとダイマーの分画およびガスクロマトグラフィーを行なった。
4. 製造直後の市販ラーメンの中一つは70日間30℃に保存しても過酸化物価およびダイマーの含量はそれ程上昇しなかった。しかし他の一つは30℃に30日間保存することにより過酸化物価もダイマーの含量も共に著二しく上昇し, ガスクロマトグラフィーの結果植物油を混同していることが認められた。
5. サラダ油を混用して試作した即席ラーメンの脂肪は30℃に70日間保存することにより脂肪がかなり変敗した。
6. 店頭より購入した即席ラーメン2種の脂肪には特に変敗の状態は認められなかった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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