栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
蔬菜中の炭水化物に関する研究 (第4報)
ヨモギ葉ヘミセルロースの分離に関する条件的検討
槇 光章佐藤 幸夫
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1968 年 20 巻 6 号 p. 452-455

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抄録
以上の研究をここに総括して考察すると次のことが指摘された。
1. ヘミセルロースAの沈澱に対する酸添加時の最も効果的pHは3前後である。
2. ホロセルロースよりヘミセルロースの抽出溶剤としてのNaOHの濃度については, 一般に濃度の増加と共に抽出量も比例し, 5~10%濃度にて一定の抽出量となる。
3. ヘミセルロースA>ヘミセルロースB>ヘミセルロースCの順に沈澱し易く, 且つヘミセルロースAはNaOHの低濃度で抽出され易く, その結果分子形が大きく, ヘミセルロースCになるにつれ分子形は小さい。
4. ホロセルロースの脱リグニンの効果的溶剤としてはブタノール>アセトン>エタノールの順であり, しかも50%濃度が80%濃度に比し効果性は著しく大きい。
5. ヨモギ葉のヘミセルロースBは多量に含むキシロースとガラクトースを主構成糖類とするが, 硫酸銅溶液を用いてヘミセルロースB1を分離したところ少量であるがフコースの存在を確認した。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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