抄録
AsA溶液, 大根汁およびせん切り大根に, 赤外線を照射した場合のVCの安定度を, 普通の対流による乾燥の場合と比較検討して, VCに及ぼす赤外線の影響について次の事項を認めた。
(1) 何れの試料についても, 赤外線乾燥の方が, 電気乾燥器による乾燥よりも乾燥速度が非常に速く, 総C, 還元型Cともに残存率が大である。従って生鮮食品の乾燥には, 赤外線乾燥によるのが能率的であり, VCの損失が少ないので効果的である。
(2) 赤外線は被照射物質の表面に吸収されるのが特性であるため, 被乾燥物質の層は薄いほど乾燥能率がよくVCの損失もはるかに少ない。