1971 年 24 巻 4 号 p. 242-248
褐変モデルとしてのリンゴ酵素-カテコール系についてその酸素吸収と着色とに及ぼすpHの影響を検討したところ, いずれもpH6で最高, pH4以下では活性は認められず平行関係にあった。 しかしさらにシスチンやシステインを加えた場合にはこの関係は認められなかった。 また種々のpHにおける褐変の相対的強さは反応時間によって変動し, 短時間ではpH5~6付近で最も強いが長時間ではむしろアルカリ側において強かった。 これとともに各pHでの反応液の吸収スペクトルも検討した。 さらに代表的阻害剤として亜硫酸, システイン, 食塩の着色に及ぼす影響も, , 吸収スペクトルとともにpHおよび時間と関連して検討し, とくに低濃度の食塩は微酸性において活性を促進することを認めた。