栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
24 巻 , 4 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 吉野 芳夫, 三浦 道雄, 福永 良憲, 中山 健次, 佐藤 好一
    1971 年 24 巻 4 号 p. 201-205
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    落花生蛋白質をトリスークェン酸緩衝溶液 (pH8.60) で抽出し, トリス-クエン酸及びホウ酸-水酸化ナトリウム (pH8.60) の不連続緩衝液系を用いて澱粉ゲル電気泳動を行ない次の結果を得た。
    (1) 尿素及びメルカプトエタノールを含まない澱粉ゲルでは幅の広い2個のバンドと不明瞭な2個のバンドが得られたが, 尿素濃度の増加と共にバンドの数は増加しかつシャープになった。特に5M尿素及び0.02Mメルカプトエタノールを含むゲルを用いると10数個のバンドが検出された。
    (2) 5M尿素及び0.02Mメルカプトエタノールを含むゲルを用いて34品種の落花生について電気泳動を行なったところ, 同一系統に属する品種の泳動パターンはそれぞれ同じであったが, バージニアと, スパニッシュ及びバレンシアとの間にパターンの差が認められた。
    (3) この差異はarachinの部分に存在し, conarachinの泳動パターンはすべての品種について同じであった。
  • 平松 芳子, 柳下 晃, 寺戸 国昭
    1971 年 24 巻 4 号 p. 206-210
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1) ドンリューラット (雄) 平均体重52g/60匹を2分し, 除鉄飼料飼育 (100匹) および対照飼育 (60匹) をそれぞれ2カ月間実施した。 その結果鉄欠乏食群では血液Hb値9.7±1.5g/dl, 肝臓非ヘミン鉄11.6-15.1μg/gおよび体重201.2±29.3gとなり, 対照群では15.4±1.4g/dl, 112.6μg/gおよび228.4±32.0g (同順序) となった。
    2) 鉄欠乏食群および対照群に0.3mgFeの硫酸第一鉄を連続10回経口負荷した後の鉄吸収率, 血液Hb値および肝臓非ヘミン鉄について測定した。 第1回の鉄投与に添加した59FeSO4の吸収率は鉄欠乏食群では30.8%以上, 対照群では7.8%である。 鉄負荷の結果鉄欠乏食群では血液Hb値および肝臓非ヘミン鉄の恢復をみとめたが, 対照群のHb値には殆んど変化が無かった。
    3) 血液Hb値と鉄吸収率の間には負の曲線相関, また血液Hb値と肝臓非ヘミン鉄の間には正の曲線相関を認められ何れも実験式を計算した。
  • 斎藤 洋子, 神立 誠
    1971 年 24 巻 4 号 p. 211-215
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    成熟白ねずみを死亡直前 (絶食後22~28日) まで絶食させ, 筋肉および肝臓のRNA, DNAおよび全窒素量と尿中窒素量を経時的に測定した。
    筋肉, 肝臓中のDNA全量は絶食12日までは絶食0日と差がなかったが, 死亡直前には筋肉, 肝臓でそれぞれ絶食0日より6%, 28%減少していた。死亡直前の3~4日前より尿中窒素量が急増し, 予備飼育時の1.5~2倍に達したことから, この時期には細胞の構成成分をエネルギー源として利用しなければならなくなり, 細胞の破壊と共に核の破壊がおこったものと推測される。したがって細胞の破壊の予想されない一般の栄養欠乏条件下では筋肉および肝臓のDNA全量は変化しないと考えられ, 筋肉においても栄養欠乏に伴う他成分の変化を表わす場合にDNAは基準物質として利用され得ることが確認された。
    筋肉のRNA-P/DNA-Pは絶食初期に急減し, その後尿中窒素量増加時までは漸減して, 再び尿中窒素量増加時に急減した。この減少経過は肝臓の場合とほぼ同様であり, 筋肉RNAも食餌条件に速やかに反応して変化することが認められた。また筋肉RNA量の変化も蛋白質量の変化と並行あるいはやや先行することが認められた。
  • 満田 久輝, 河合 文雄, 山本 愛二郎, 大村 芳子
    1971 年 24 巻 4 号 p. 216-226
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    プラスチック積層フィルムで包装した米穀類 (籾, 玄米, 精白米) を約9℃~13℃の水中に保存し, 梅雨期, 夏期, 冬期を経過した時点でその品質変化の程度を種々の化学成分含量および生物活性変化の様相, ならびに物性試験, 食味試験などによって調査した。その結果,
    (1) 積層フィルムによる水遮断性は完全であり, 1カ年間を通じての水分変化は0.3~0.5%増であった。
    (2) 脂肪, でんぷん質, タンパク質, 有機酸, ビタミンB1など種々の化学成分変化は極めて緩徐で, 従来の低温倉庫での保存と同等の効果を示した。
    (3) 水中貯蔵米の発芽率, カタラーゼ活度, パーオキシダーゼ活度などの生物活性は1カ年後においてもほとんど失われなかった。
    (4) 古米臭の指標としての揮発性カルボニル化合物, 炊飯特性, テクスチャーなどの測定結果は古米化の進行が水中区では非常に緩徐であることを示している。
    (5) 7カ月貯蔵後の精白米について行なった食味試験の結果, 水中区は外観, 香り, うま味, 粘り, 硬さ, 綜合評価のすべてにおいて基準の低温米とほとんど差がないと判定された。
    (6) CO2ガス封入区は脂肪およびビタミンB1含量変化の防止, パーオキシダーゼ活性の保持, 古米化の速度低下など多くの点でair区よりも優れていた。
    以上, 水中での密封低温貯蔵法による米穀類の品質変化は極めて緩徐で, 従来の低温倉庫に管理されている状態と同等の効果のあることが確認された。
    なお同一試料を引続き水中に貯蔵し経時的に品質変化を追跡中で, その結果は次報で報告する。
  • 金森 正雄, 三好 正満, 伊吹 文男, 牧 善輔
    1971 年 24 巻 4 号 p. 227-234
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    Caとカゼインとの反応をCa濃度0~10mMの範囲で調べた。 3mM濃度で沈殿し始めるαs-カゼインはκ-カゼインによって完全に安定化された。 κ-カゼイン自身もCaの存在で会合を起こし多分散状態を示した。 Caが存在しない場合, κ-カゼインとαs-カゼインのS20, wは各々14.4と1.8であったが, カゼインがCaの濃度の増加と共に会合していく様子が超遠心分析とゲルろ過によって確められた。 Caの存在下でαs-カゼインは時間と共に会合度を増し, ついには沈殿するがαs-κ-カゼイン複合体や炉カゼインでは時間変化が極めて緩慢であった。 pH7と8におけるカゼインによるCaの吸着量を透析平衡, ゲルろ過, 遠心分離の三方法を用いてCa濃度1~10mMの範囲で調べた。 αs-カゼインの沈殿に必要なCa量はpH7~8で, αs-カゼイン1M当り12Mであった。 遠心分離法によって得られた吸着Caの値が特に低いことから, カゼイン粒子の構造的要因によって吸着されるCaが, 静電気的吸着以外にあるのではないかと推定される。 Caを含有しないバッファーで45Ca-カゼインをゲルろ過することにより吸着されたCaの状態についての知見を得た。 一般的に言って, Caとの反応で, αs-κ-カゼイン複合体の吸着能はその構成カゼインであるαs-, κ-カゼイン単独の場合の吸着能から推定されるより強かったがκ-カゼインによるCa吸着強度は非常に弱かった。 なお, 吸着能の時間的変化についても検討した。
  • 三好 正満, 伊吹 文男, 牧 善輔, 金森 正雄
    1971 年 24 巻 4 号 p. 235-241
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    この実験では, κ-カゼインのアミノ基, カルボキシル基, SH基, チロシン, トリプトファン, リジン, セリン, ヒスチジン, アルギニン, およびメチオニンを種々の方法で化学修飾し, それらがαs-カゼイン安定化作用に及ぼす影響について調べた。 κ-ヵゼインは分子間会合を通して複合体を形成しS20, wは14程度であり, アルカリとか尿素処理で始めてS20, w 2-3に分散する。 このため, 今回の修飾反応条件であるpH 7-9においてはκ-カゼイン分子はじゅうぶんに解離していないため, 反応基が複合体の表面に位置しているかどうかによって反応速度, ひいては修飾率が大きく左右されたと思われる。 アミノ基とカルボキシル基を修飾するとほぼ完全に安定化作用が消失し, ヒスチジンとチロシンの修飾も顕著な安定化力低下をもたらした。 κ-カゼインを還元してより低分子化すると未修飾κ-カゼインより安定化力が高まった。 またその他のアミノ酸残基の修飾は, αs-カゼインの安定化にほとんど関係がなかった。焦点電気泳動法による分析により, 6M尿素中においてκ-カゼインの等電点がpH 5より酸性側へ移ると急にαs-カゼインに対する安定化作用が失われることがわかった。 還元κ-カゼインの焦点電気泳動により6成分が分離され, そのうち等電点の中性側の成分が最も早く修飾を受けるので, これらの成分がκ-カゼイン複合体の表面に位置しているものと推定された。 デンプンゲル電気泳動により, κ-カゼインの化学修飾は分子電荷のみならず分子の大きさも変化させることが判明し, 特にセリン, ヒスチジン, それにチロシンを修飾したものは, 分子会合が進み, 他方TFA化したκ-カゼインとSH基を修飾したκ-カゼインはより小さい分子へ解離した。
  • 大村 浩久, 尊田 民喜, 井上 浩輔
    1971 年 24 巻 4 号 p. 242-248
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    褐変モデルとしてのリンゴ酵素-カテコール系についてその酸素吸収と着色とに及ぼすpHの影響を検討したところ, いずれもpH6で最高, pH4以下では活性は認められず平行関係にあった。 しかしさらにシスチンやシステインを加えた場合にはこの関係は認められなかった。 また種々のpHにおける褐変の相対的強さは反応時間によって変動し, 短時間ではpH5~6付近で最も強いが長時間ではむしろアルカリ側において強かった。 これとともに各pHでの反応液の吸収スペクトルも検討した。 さらに代表的阻害剤として亜硫酸, システイン, 食塩の着色に及ぼす影響も, , 吸収スペクトルとともにpHおよび時間と関連して検討し, とくに低濃度の食塩は微酸性において活性を促進することを認めた。
  • 松本 和, 糸川 嘉則, 藤原 元典
    1971 年 24 巻 4 号 p. 249-252
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    キャベツより抽出した含硫アミノ酸, S-Methylcysteine Sulfoxide (Methiin) の抗コレステロール作用をシロネズミの血清ユレステロール低下作用について報告した。
    (1) コール酸無添加飼料での実験ではコレステロール食によりシロネズミの血清コレステロール値は4週間目がピークとなり8週間目ではもとにもどったが, 体重は8週間目で増加しており, 体内への脂肪沈着が考えられた。しかしMethiin添加食はこの4週間目の血清コレステロールの上昇と8週間目の体重増加の両作用を抑制した。
    (2) コール酸添加飼料での実験においてもMethiinは血清コレステロールの上昇を明らかに抑制した。
    (3) 2%Methiin添加シロネズミにおいては脾臓の肥大が認められた。
  • 堀米 隆男, 神立 誠
    1971 年 24 巻 4 号 p. 253-258
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    フキ葉柄アセトンパウダーよりオルソジフェノールオキシダーゼを抽出し, ゲル濾過によりフェノール化合物を除去した酵素液を得, この酵素液の存在のもとでカゼイン50gに対しイソクロロゲン酸2.78g (前回調製), 5.54g, コーヒー酸0.90g, 1.80g, 6.08gを反応させて着色カゼインを調製した。白ネズミを用い消化率, 生物価を測定した結果, カゼインと反応するフェノール化合物が多くなるとともに消化率, 生物価の低下することが認められた。 また, 着色カゼインのうち, 最も多量のイソクロロゲン酸, コーヒー酸を反応させて調製したカゼィンについてアミノ酸の分析を行なったところ, フェノール化合物との反応によって損失するアミノ酸は主にリジンであることが認められた。
  • 石黒 弘三
    1971 年 24 巻 4 号 p. 259-260
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    Young rats weighing about 80g fed a diet low in either tryptophan or methionine showed a decrease in serum protein level. Decreases of gamma globulin were observed in rats fed a low tryptophan diet and that of albumin in rats fed a low methionine diet. But it was not so clear as in the previous report on rats weighing about 45g.
    A low level of liver protein was observed in rats fed a low tryptophan diet as same as a previous paper, whereas a tissue atrophy was not so significant in rats fed a low methionine diet as observed previously.
  • 平井 真弓, 池田 陽子, 村田 希久
    1971 年 24 巻 4 号 p. 261-262
    発行日: 1971年
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
    1964年と1967年に引き続き, ビタミンB1, B2強化の各種の食品についてそれらの強化指定量に対する検出量の割合を求めた結果, 60~119%の範囲に強化されていたものは, ビタミンB1では全調査件数の43%, ビタミンB2では全調査件数の45%であり, 指定量に対し検出量が59%以下がビタミンB1強化食品で12%, ビタミンB2強化食品で16%で幾分減少の傾向がみられたが, 逆に120%以上強化されているものがビタミンB1強化食品で41%, ビタミンB2強化食品で39%と増加の傾向にあった。また, とろろ昆布, 麺類など混和困難な加工食品において検出率に変動の多いことが認められたので注意を喚起した。
feedback
Top