栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
離乳白ネズミのカルシウム, リンおよびマグネシウム代謝
関 博麿
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1971 年 24 巻 7 号 p. 388-391

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抄録
授乳が終わった体重240g前後の初産の白ネズミに授乳時とおなじ飼料を投与し, 離乳後のCa, PおよびMg出納を観察し, 妊娠および授乳中に変動したと推察されるこれら無機質の代謝機能の回復について観察した。離乳直後は体内の代謝機能が授乳時とおなじ働きを示したためか, いずれの無機質も吸収量は多いが, 母乳中に分泌する必要がないために尿中に多く排泄している。CaおよびMgの尿中排泄量が多いことは, 母乳の分泌停止によって体内の乳糖が作用して尿中への排泄が増したとも考えられる。尿中排泄および蓄積量の様相からみて離乳後6日前後で体内におけるCaおよびPの代謝機能は一応安定し, 非妊時の状態にまで回復するようである。Mgは離乳直後に負出納を示したが, 6日以降では妊娠前の代謝機能の状態にまで回復したといえるようである。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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