抄録
8-ヒドロキシキノリンによりヒドロキシウレアは発色し425mμに極大を示す吸収スペクトルが観察された。 この呈色反応に及ぼす諸条件を検討しヒドロキシウレアの比色定量法を確立した。 すなわち試料1mlに0.2Mトリス緩衝液 (pH7.5) 1ml, 1%8-ヒドロキシキノリン1ml, 1M炭酸ナトリウム1mlを加え水で全量5mlとし. 40℃3時間反応させたのち425mμにおける吸光度を測定する。 これによって吸光度は5×10-5Mないし10-3Mの範囲にわたって濃度と直線関係が認められた。
さらに尿素およびその誘導体は本法によって呈色せずこれらとヒドロキシウレアとの分別定量が可能であることが示された。 しかしヒドロキシルアミンをはじめフェニルヒドラジン, セミカルバチド, その他の物質による妨害は免れなかった。