栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
リボフラビンとパラアミノサリチル酸との反応による赤色物質の生成
リボフラビンとパラアミノサリチル酸との反応 (第2報)
大村 浩久西沢 天善堤 将和飯尾 雅嘉
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1971 年 24 巻 8 号 p. 413-422

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抄録
RFとPASとを少量のピリジンの存在下に高濃度で加熱反応させると非透析性の赤色物質のほか紫外線で黄色を呈する2, 3の物質を生成した。この赤色物質は反応液のゲル濾過によって分離され, また反応液を十分に透析すれば析出した。その吸収スペクトルには266mμ, 525mμおよび565mμに極大が認められた。 赤色物質の生成にはPASが必要であって構造の類似した種々のフェノール誘導体は無効であった。 一方フラビンではRFが特に有効であって, FMN, FADあるいはLFではほとんど問題にならなかった。 またその生成量は加熱時間に比例し温度が高いほど増加した。 さらにRFとPASとの量比も問題であってRF0.5mgに対しPAS10mg以上を要し12mgで最高となるがそれ以上ではかえって低下した。 溶媒の量も関係し, 上記条件で0.2mlないし0.5mlを要した。 溶媒としてはDMFも有効であったが, 効果はピリジンにはおよばなかった。 氷酢酸を用いても同じように赤色物質を生じたがその性質は異なった。 これに対してブチルアルコールおよびオクチルアルコールでは赤色物質は生成しなかった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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