栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
摂取たん白レベルとインシュリン投与に対する肝酵素活性の変動
片山 (須川) 洋子前川 ソヨ子小石 秀夫
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1971 年 24 巻 8 号 p. 423-427

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抄録
摂取たん白レベルを0. 8, 20%と変えてシロネズミを3週間飼育し, それぞれのたん白レベルにおいてインシュリンを投与したものと投与しない対照群に分け, 成長状態および肝臓の諸酵素活性について観察した。
(1) 無たん白食を与えたシロネズミの成長は非常に悪く, 8%の低たん白食でも20%レベルにくらべると成長は著しく劣ったが, いずれのたん白レベルにおいても, インシュリンを投与したものと対照群との間で食餌の摂取量, 体重の増加には差がみられなかった。
(2) 一方, インシュリン投与に対する肝臓の諸酵素活性の応答と摂取たん白レベルとの関係は無たん白食を与えたシロネズミではインシュリンを投与しても概して応答することができず, 低たん白食においてもそれらの応答は標準のたん白レベルにくらべると鋭敏でないことがわかった。
(3) 本実験におけるインシュリンの3週間連続投与の場合の肝諸酵素活性の応答は, 短期間投与の場合にみられる傾向とは必ずしも一致せず, G6PDHについてはむしろ逆の傾向がみられた。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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