栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
市販家庭用マーガリンの保存中の安定性について
兼松 弘新谷 助今村 正男
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1973 年 26 巻 1 号 p. 43-52

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抄録
市販家庭用マーガリン13種, バター2種を5℃と20℃に12カ月間保存し, 1カ月ごとに官能検査, A. V. , P. O. V. ビタミンA, βカロチンの測定を行なった。
1) 5℃に保存した場合は全期間異臭を発生するものは認められなかったが, 20℃では9~12月ごろより異臭を発生するものがみられた。
2) 5℃保存の場合, 3, 6, 12カ月の平均ビタミンA残存率は99.1, 97.5, 91.6%, 20℃では97.0, 93.3, 83.0%であった。
3) 5℃保存の3, 6, 12カ月の平均βカロチン残存率は97.0, 93.0, 86.5%, 20℃では92.0, 84.4, 75.4%であった。
4) リノール酸, リノレン酸含量の多い試料は, P. O. V. 増加も大きく, ビタミンA, βカロチンの残存率と関連がみられた。
5) 家庭用マーガリンの場合, 抗酸化剤, DHA添加の効果はとくにみられず, むしろ冷蔵することが品質保存のために最も効果のあることがわかった。 しかし業務用マーガリンは冷蔵されないのでこれらの添加は必要である。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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