1973 年 26 巻 1 号 p. 59-64
体重約180~190gのSD系妊娠白ネズミに妊娠第1日よりPFDを投与し, さらに第4日より種々の期間 (4~7, 4~9, 4~11, および4~13日) 0.25mg/日のハイドロコーチゾンを注射して妊娠維持に対する皮質ステロイドの影響をみた。ハイドロコーチゾンを4~9日投与した際には約60%の動物が妊娠を維持したが, 投与期間がこれより短くてもあるいは長くても妊娠維持率は低下した。また20%カゼイン食投与動物に同量のハイドロコーチゾンを投与しても妊娠維持に対しては影響なく, すべての動物は完全に妊娠を維持した。
肝あるいは筋におけるDNA総量は, PFD群が対照に比し低値であった。
PFD投与によりおこされる栄養性流産の機構, ならびにこの防止に対するハイドロコーチゾンの役割について若干の考察を行なった。