栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
たん白食糧に関する研究 (第8報)
アルカリーアニオン交換樹脂法による米ヌカたん白質の抽出について
満田 久輝池田 清和安本 教傳
著者情報
ジャーナル フリー

1973 年 26 巻 3 号 p. 171-175

詳細
抄録
脱脂米ヌカからアルカリでたん白質を抽出する際, 懸濁液のpHが経時的に低下することが観察された。この現象は, その際溶出される無機リン酸およびフィチン酸によつてもたらされると推論された。そしてこの懸濁液のpH低下の防止法として, アニオン交換樹脂の添加が考えられた。アニオン交換樹脂としては, Dowex 1×4 (OH型, 100~200メッシュ) が最良の結果を与え, リン化合物の除去のみならず, より高分子形態のたん白質抽出率の向上がもたらされた。さらにこの方法によつて得られたたん白質標品は, 従来法のものにくらべてより純度の高いものであった。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top