栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
食用タール色素の3種混合がペプシン活性におよぼす阻害効果
吉田 勉
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1973 年 26 巻 8 号 p. 487-490

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抄録

食用タール色素の赤色2号 (R2), 赤色102号 (R102) および黄色4号 (Y4) を用いて人工消化実験を行ない, これら3種類の色素混合が, ペプシンによるカゼイン消化に及ぼす影響について調べた。
1) 各色素単独添加の際のみならず, 3種類の色素の各混合比を添加したときにおいても, 色素濃度のきわめて低いところを除き, 色素濃度が増加するにつれて, ペプシンの活性は低下した。
2) 3種の色素のうちでもっともペプシン活性阻害が著しかったのはR102であり, 一方Y4の活性阻害は概して弱かった。
3) 3種類の色素混合については, ペプシン活性阻害は, 高濃度域ではR102単独とY4単独の中間にある場合が多かった。
4) ペプシン活性阻害がもっとも著しかったのは, R2: R102: Y4=15: 70: 15の混合比の場合であった。
5) R2ないしはY4の混合比が高い場合には, 3種類の色素混合によるペプシン活性阻害の増強は認められなかった。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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