栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
白ネズミの週齢による, 米へのリジン, スレオニン補足効果の差異
園田 充子村田 希久
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 31 巻 1 号 p. 67-72

詳細
抄録

幼白ネズミ3週齢, 初体重平均67gのドンリュー系雄各群10匹につき, 白米食群 (I), 白米食にL-リジン塩酸塩0.24%添加群 (II), 白米食にL-リジン塩酸塩0.24%, L-スレオニン0.12%を添加した群 (III), 各群たん白質レベル6%を自由食として, 体重増量と飼料摂取量を求めた結果, PERは6週齢まではI群とII群間に有意 (p<0.05) の効を示し, さらにスレオニンの添加はいっそう有意 (p<0.01) の効を示した。またそれ以後9週齢までは, 6週齢同様I群とII群間に有意 (p<0.05) の効を示し, さらにスレオニンの添加も幾分効を示した (p<0.05)。しかし以後15週齢までは, リジン添加の効果のみが有意に (p<0.01) みとめられたにすぎず, III群においてはII群以上の体重増と高いPERをあたえなかった。しかしこの時点で各群半数の白ネズミの血漿遊離アミノ酸値を測定した結果, バリン, メチオニン, イソロイシン, ロイシン, チロシンはI<II<III群の順に有意に高く, タウリンはI>II>III群の順に低くなっており, なおアミノ酸添加効果を多少反映しているかのように窺えた。
一方8週齢の初体重198g, 各群6匹の白ネズミにつき, 同一の飼料を25日間, 自由食とした3群においてはIII群はII群に比し体重, PERともに増がなかったが, I群との間にはいずれも有意の上昇をしめし, リジン補足のみに効がみられ, さらにスレオニンの補足はリジン補足以上の効を示さなかった。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top