栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
カルシウム, リンおよびマグネシウム出納におよぼす縮合メタリン酸塩の影響
山岸 達典森本 キミ堀井 昭三関 博麿大西 和夫
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1978 年 31 巻 5 号 p. 465-468

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抄録
飼料中の正リン酸塩類を縮合メタリン酸カリウムに置換してラットに投与してCa, PおよびMg出納におよぼす影響を観察した。それらの結果を要約すると次のとおりである。
1) 体重増加: 実験群のラット体重は対照群のそれと比較して増加する傾向を示した。
2) Ca, PおよびMg出納: 実験群のCa吸収率は, 対照群のそれと差はなかったが尿中排泄量が少ないため, 体内保留率は対照群より実験群のほうが高く, Mg収吸率は実験群のほうが低いが尿中排泄が少ないため体内保留率は対照群より多い。またPの吸収率, 体内保留率も実験群のほうが高く, Ca, PおよびMgともに対照群との間に有意な差が認められた。
3) 屍体のCa, PおよびMg量: 屍体のCa, PおよびMg量は, 実験開始時, 終了時いずれの時期も対照群と実験群との間に有意な差が認められなかった。ただし開始時と終了時ではいずれの群もCa, P量は増加したが, Mg量は逆に低下した。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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