栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
女子生徒および学生における塩味嗜好の差違
成田 健佐原 昊
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 32 巻 4 号 p. 229-233

詳細
抄録

中学校, 高等学校および短期大学に在学する女子生徒および学生について, 0.2%間隔の塩汁を味見させ, 好ましいと思う塩味を選択させる塩味嗜好試験および好みの塩味にみそ汁を調製させる試験をおこない, 保護者家庭で供されたみそ汁の塩味との関連性とともに, 年齢の進行に伴う塩味嗜好の差違について検討した。
1) 好みの塩味は中学生でやや塩からく, 食塩濃度1.3~1.5%, 高校生以上では1.2%以下であり, 中学生は食塩に対する欲求度が高いものとみられた。
2) 調製したみそ汁の食塩濃度は好みの塩味より全般に高く, とくに中学生では1.71~1.86%であり, 強い塩味となったが, 高校生以上では1.3~1.4%と低下した。
3) 保護者家庭で供されたみそ汁の食塩濃度は1.1~1.3%で, すでに報告されている数値よりも低く, よりうすい塩味のみそ汁を食するようになっている。
4) 中学1, 2年生および短大学生が調製したみそ汁の塩味は保護者家庭のみそ汁の塩味と相関した。しかし, 中学3年生を含む高校生全体は自己の塩味嗜好と調製したみそ汁の塩味とを関連づけた。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top