栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
32 巻 , 4 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 毛利 善一, 田村 順一
    1979 年 32 巻 4 号 p. 223-228
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    脂肪酸エステル系界面活性剤のはるさめに対する分線効果について検討し, 以下の結果を得た。
    1) いずれの脂肪酸エステルもアルキル基鎖長の大きいほうが分線効果が大きく, 同一アルキル基鎖長ではモノエステルがもっとも効果が大きく, ジエステル, トリエステルの順となった。
    2) 分線効果とHLBとはある程度関連性をもつことが認められ, HLBと化学構造より分線効果を推定することも可能と思われる。
    3) ばれいしょデンプンの比率を高めるほど, 分線効率は低下し, 分線剤濃度を増加する必要があるが, かんしょデンプンの配合比率が高い場合は容易に分線され, 分線剤濃度は低くてよい。
    4) ソルビタンステアリン酸エステルとショ糖オレイン酸エステルの組合せが分線剤として良好であった。
    5) 分線剤を使用することによって分線時間の短縮が可能であった。
    6) はるさめの脱水および凍結時間のいずれも短い場合, 分線は困難であった。
    7) 分線剤で処理されたはるさめは, 無処理のものにくらべて, 膨潤しにくく, 水溶性は緑豆はるさめとほぼ同一の値にまで低下できた。
    8) 走査型電子顕微鏡観察の結果, 分線剤で処理されたはるさめの表面はなめらかで, 光沢があり, そのために, めん線のからみが少なく, 分線しやすいが, 無処理のものは, なめらかでなく, 光沢もなく, めん線はからみ, 分線が困難であった。
    9) はるさめへの分線剤の付着量は, エタノール抽出量から4.1ppm, 分線剤水溶液の付着損失量から3.8ppmであった。
  • 成田 健, 佐原 昊
    1979 年 32 巻 4 号 p. 229-233
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    中学校, 高等学校および短期大学に在学する女子生徒および学生について, 0.2%間隔の塩汁を味見させ, 好ましいと思う塩味を選択させる塩味嗜好試験および好みの塩味にみそ汁を調製させる試験をおこない, 保護者家庭で供されたみそ汁の塩味との関連性とともに, 年齢の進行に伴う塩味嗜好の差違について検討した。
    1) 好みの塩味は中学生でやや塩からく, 食塩濃度1.3~1.5%, 高校生以上では1.2%以下であり, 中学生は食塩に対する欲求度が高いものとみられた。
    2) 調製したみそ汁の食塩濃度は好みの塩味より全般に高く, とくに中学生では1.71~1.86%であり, 強い塩味となったが, 高校生以上では1.3~1.4%と低下した。
    3) 保護者家庭で供されたみそ汁の食塩濃度は1.1~1.3%で, すでに報告されている数値よりも低く, よりうすい塩味のみそ汁を食するようになっている。
    4) 中学1, 2年生および短大学生が調製したみそ汁の塩味は保護者家庭のみそ汁の塩味と相関した。しかし, 中学3年生を含む高校生全体は自己の塩味嗜好と調製したみそ汁の塩味とを関連づけた。
  • 奥 恒行, 山田 和彦, 細谷 憲政
    1979 年 32 巻 4 号 p. 235-241
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    Wistar系幼若雄白ネズミ (体重約50g) に5, 10, 20, 40%にプルランを含む飼料ならびに20, 40%にセルロースを含む飼料を投与して, 白ネズミの成長曲線ならびに各臓器に対する影響, さらに小腸粘膜の糖質分解酵素におよぼす影響などを観察した。
    1) プルランを20%ならびに40%に含む飼料で飼育した場合には, 著しい成長抑制が観察された。40%セルロース投与群においても同様の成長抑制がみられた。しかしながら, 抑制の程度ならびに抑制の現われ方はプルラン投与群とセルロース投与群との間に多少の差異があった。
    2) 大量のプルラン (20%, 40%プルラン飼料) を長期間投与すると胃, 小腸, 盲腸, 大腸の肥大する傾向が観察された。その影響は, とくに盲腸に対して著しかった。セルロースを投与した場合には大腸に肥大が著しかった。消化管の肥大の部位と程度は, 飼料中のプルランまたはセルロース含量と飼育期間によって異なっていた。消化管以外の臓器に対してはプルランならびにセルロースの影響はほとんど観察されなかった。
    3) 小腸粘膜のマルターゼ, シュクラーゼ, イソマルターゼ活性は, いずれもプルランならびにセルロースの投与によって影響されなかった。プルランは試験管内において小腸粘膜に存在する酵素によって部分分解された。
    4) プルランを胃内に投与した場合に, 60分間でプルランのグリコシド結合の約3%が消化管内で加水分解された。この量はプルラン分子中に含まれるマルトテトロースユニットの量に一致していた。
    以上の結果, プルランは腸管内で二糖類または単糖類まで分解されにくく, 生体に利用されにくい多糖類と思われる。セルロースならびにプルランのような生体で利用されにくい多糖類を, 白ネズミに大量に投与すると盲腸, 大腸が肥大する。これは生体がそれらの物質になじむための一種の生理的な適応現象ではないかと考える。
  • 佐伯 清子, 熊谷 洋
    1979 年 32 巻 4 号 p. 243-247
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    露地および施設栽培におけるトマト, キュウリ, ナスのビタミンC含量が季節的に, どのように変動するかを検討するとともに, 流通ものについてもビタミンC含量を測定した。
    1) 本実験に先立ち, 一つの畑で露地栽培されたトマト, キュウリ, ナスにおけるビタミンC含量の個体間の変動をみた。変動係数はトマトで18%, キュウリで13%, ナスで8%であった。施設栽培においても, その変動係数は露地栽培のそれとほぼ同値であった。
    2) 同一収穫時期では, トマト, キュウリにおいて露地ものと施設ものにビタミンC含量の差はなかった。しかし, ナスにおいて露地ものが若干高かったが, その差は1.2mg%と小さかった。
    3) 露地栽培においてトマト, キュウリ, ナスのビタミンC含量は収穫時期とともに明らかに変動し, トマトでは7~10月に, キュウリでは5~7月に, ナスでは5, 6月と9, 10月に高く, トマト, キュウリ, ナスとも冬期に低かった。また, この変動の仕方は日照時間の変動と類似していた。施設栽培においてもまったく同様であった。
    4) 流通ものを露地もので, 直接畑から採取したものと比較すると, キュウリ, ナスのビタミンC含量は若干低値であった。しかし, トマトではビタミンC含量が低いとはいえなかった。
  • 浅川 具美, 松下 雪郎
    1979 年 32 巻 4 号 p. 247-248
    発行日: 1979/12/10
    公開日: 2010/02/22
    ジャーナル フリー
    Fig. 1は大豆油の酸化過程を, POV, TBA値で測定すると同時にTBA試験紙をテストした結果である。酸化大豆油はPOVの上昇に伴ってTBA値も徐々に高くなるが, TBA値については鉄塩添加により, 約2倍の値が得られた。
    TBA試験紙のテストは呈色度の濃淡を肉眼で判定するものであるが, ここではその呈色度を客観的な値で示すためにクロマトスキャナで測定してみた。Fig. 1にみられるように試験紙の呈色度はほぼ油の酸化度に比例することがわかった。したがって油脂の酸化度を判定する目安には十分使いうるものであろう。とくにPOV 3付近で呈色しはじめることは, 先に作製したTBA試験紙にくらべ感度が非常によいので, 初期の酸化程度の判定に利用できるであろう。
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