栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
山口県における施設および露地栽培トマト, キュウリ, ナスのビタミンC含量の季節的変動
佐伯 清子熊谷 洋
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 32 巻 4 号 p. 243-247

詳細
抄録
露地および施設栽培におけるトマト, キュウリ, ナスのビタミンC含量が季節的に, どのように変動するかを検討するとともに, 流通ものについてもビタミンC含量を測定した。
1) 本実験に先立ち, 一つの畑で露地栽培されたトマト, キュウリ, ナスにおけるビタミンC含量の個体間の変動をみた。変動係数はトマトで18%, キュウリで13%, ナスで8%であった。施設栽培においても, その変動係数は露地栽培のそれとほぼ同値であった。
2) 同一収穫時期では, トマト, キュウリにおいて露地ものと施設ものにビタミンC含量の差はなかった。しかし, ナスにおいて露地ものが若干高かったが, その差は1.2mg%と小さかった。
3) 露地栽培においてトマト, キュウリ, ナスのビタミンC含量は収穫時期とともに明らかに変動し, トマトでは7~10月に, キュウリでは5~7月に, ナスでは5, 6月と9, 10月に高く, トマト, キュウリ, ナスとも冬期に低かった。また, この変動の仕方は日照時間の変動と類似していた。施設栽培においてもまったく同様であった。
4) 流通ものを露地もので, 直接畑から採取したものと比較すると, キュウリ, ナスのビタミンC含量は若干低値であった。しかし, トマトではビタミンC含量が低いとはいえなかった。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top