栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
マウスにおける食餌性繊維の種類と滞腸時間
竹久 文之鈴木 徹木村 修一
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 33 巻 1 号 p. 27-33

詳細
抄録
食物残渣の滞腸時間におよぼすリンゴパルプ (リンゴジュース残渣) 摂取の効果, 食餌歴の影響, さらにそれらに対する性差を検討した。
1) リンゴパルプは米糠と同様に滞腸時間を短縮させ, リンゴパルプに含まれる量に相当したジュースのみでも滞腸時間を短縮させた。しかしその効果は, ジュースのみよりリンゴパルプのほうが大きかった。
2) 飼育食が無繊維食であって試験食I, 試験食IIが繊維食の場合, 滞腸時間は試験食Iと試験食IIにより決定された。
3) 飼育食が繊維食であって試験食I, 試験食IIが無繊維食の場合, 飼育食の影響はある程度残存した。
4) 糞量, 糞水分量と滞腸時間との間に相関はほとんどなかった。
5) ADFとして5%含む食餌で飼育したものに, 結腸のみ重量増加の傾向が認められた。
6) 滞腸時間, 消化管の繊維食摂取による変化は, 雄よりも雌のほうが大きかった。
著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top