栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
ケルセチンがたん白質の栄養価に及ぼす影響
五十嵐 喜治石井 知幸細谷 昭昌鑓水 健一郎保井 忠彦
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1980 年 33 巻 1 号 p. 35-38

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抄録
赤クローバー葉にはケルセチンとその配糖体が含まれ, また, ケルセチンはカゼインと非酵素的に反応して, カゼインに着色を付与することが知られているので, ケルセチンがカゼインの栄養価に及ぼす影響と, ケルセチンにより褐変したカゼインの栄養価について, 成長中ラットで検討した。
1) ケルセチンを飼料中0.5%で添加したカゼインの真の消化率と生物価は, いずれも, カゼインの場合とくらべて差がなかった。
2) ケルセチンにより, 非酵素的に褐変したカゼインと対照の加熱カゼインを, 2群のラットに, 試験期間II期とIII期で, 交互に給与したところ, 褐変カゼインの真の消化率と生物価は, いずれも, 対照に比し, III期で有意に減少した。たん白効率は, 褐変カゼインが加熱カゼインよりも低い傾向を示した。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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