1980 年 33 巻 2 号 p. 75-79
明暗条件下で飼育した白ネズミの生殖器官の成熟と飼料中のdl-α-Toc acetateの影響を調べたところ次のような結果をえた。
1) 副生殖器官の重量はE無添加区では暗黒群が減少し, E添加区ではその減少が抑えられた。
2) E無添加区の人工光群, 暗黒群ともに精細胞や精子細胞の発育がみられず, E添加区では人工光群, 暗黒群ともに精細胞や精子細胞の発育がみられた。
3) 血中の総Toc量はE添加区, E無添加区ともに暗黒群で減少する傾向がみられた.
以上の結果から生殖器官の成熟を抑制する暗黒条件と低たん白条件という因子に対してTocが有効であることが示唆された。