栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
食生活分析における偏差パターン類似率の実用的研究
中島 順一吉川 周子
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1982 年 35 巻 1 号 p. 47-56

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抄録
偏差パターン類似率が, 食生活分析において実用的価値を高め広汎な利用を促すためには, その後の数量的展開手段が明確にされなければならない。そこで本研究では, 偏差パターン類似率行列から有用な情報を導き出す手段について検討した。
1) 解析方法は次のようである。偏差パターン類似率行列をユークリッド距離行列に変換し, これを入力データとしてMDSのトガーソンの方法で解析し対象の空間座標を求め, これを解釈する。そして重回帰分析を利用して空間配置と食物摂取との関連性を調べる。
2) 現実の岐阜県における食物摂取データに適用した結果, 15の調査地域は, A群, B群, C群に3類型された。これら3類型は, 村, 町, 市という行政区画に対応し, さらにそれはA群→B群→C群の連鎖的構造を示した。
3) 重回帰分析を利用した結果, それら地域群の連鎖は, 食生活の近代化と密接な関係にあることが見いだされた。またそれは都市化とも符合することが示唆された。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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