抄録
緑葉から食飼料に適したたん白質を比較的簡便に高収量で分離するための方法を確立するため, ホウレンソウほか8種の緑葉をあらかじめ冷アセトン処理して, クロロフィルを除いた試料を用いて, たん白質の抽出条件を検討した。その結果は次のとおりである。
1) 0.5% Span 20 (ソルビタンモノラウレート), 0.1%2-ME含有0.4%NaOH溶液はギンネム, ワラビ以外の供試試料に対し, 最も高いたん白質抽出率を示し, 大豆葉, 青コゴミ60%, ホテイアオイ72%, ホウレンソウ, 大根葉, キャベツ83%以上のたん白質が抽出された。
2) 界面活性剤としてSpan 85 (ソルビタントリオレエート) と石けんの使用も0.5%濃度で, Span 20と同程度のたん白質が抽出された。
3) ギンネムとワラビは界面活性剤添加効果は低く, むしろ5%有機酸混液での加圧加熱抽出法が抽出率が高い。