抄録
HPLC法による食品中の遊離型NiAおよびNAAの分析条件を検討し, 獣肉・魚介類中の含量を測定した。
1) HPLC法は, カラムとして逆相分配系LiChro-sorb RP-8を, NiAのカウンターイオンとしてテトラ-n-ブチルアンモニウムイオンを用いたイオンペアー法で分析したところ, 食品成分の妨害もなく定量できた。
2) NiAおよびNAAの添加回収率は, 牛肉で95.9%および96.9%, カレイで96.9%および102.4%であった。また, 定量限界はともに0.5mg%であった。
3) HPLCで得られたNiAおよびNAAのピークの確認をGC-MFで行なった。
4) 今回調査した検体数60の獣肉および魚介類からは, NiAはわずかに牛肉で1件, 鶏肉で2件, 魚介類で2件検出されたにすぎなかった。牛肉の場合, 44.4mg%と高い含量を示したが, これは肉の変色防止の目的で添加されたと思われる。NAAは, すべての試料から検出され, 獣肉では4mg%前後がもっとも多く, 魚介類では, 淡水魚に比べ海水魚の含量が高く, とくにアジでは12.3mg%であった。