栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
脂肪酵素に関する研究
第3報人十二指腸液の脂肪酵素作用について
巻幡 定雄
著者情報
ジャーナル フリー

1955 年 8 巻 2 号 p. 37-39

詳細
抄録

1)十二指腸液脂肪酵素の至適pHは食用油脂水解,トリアセチソ,トリブチリン水解共にpH8である。
2)至適pH8に於て各種食用油脂類の水解能を比較すると,パターが最大であり,他は作用弱く殆んど同程度である。
3)豚胆汁及びビタミンCは弱い促進作用を示した。
4)Histidineは著明な促進作用を示し,その食用油脂水解作用に及ぼす影響はトリブチリン及びトリアセチン水解に及ぼす影響より強い。
5)透析試験に於ては,透析すると失活するが,His-tidineを加えると再賦活する.外液付加による賦活を認めなかつた。
6)人十二指腸液脂肪酵素はAtoxyl抵抗性,Chinone感受性を示した。
第1並に2報の要旨は第12回日本内科学会近畿地方会(昭和25年9月),第14回日本内科学会近畿地方会(昭和26年5)月に於て講演した。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top