栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
ピーマンの貯藏および調理によるビタミンCの変化 (第1報)
中野 和子
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1957 年 9 巻 6 号 p. 313-316

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抄録

1. ビーマンの生果可食部中のC平均含量は還元型では190mg%, 酸化型25mg%であつて, 大部分が還元型であつた。
2. 同一果中還元型C含量の部分による割合は, 可食部95%, 廃棄部5%であつた。
3. 同株中の結果部位によるC含量の差は殆ど認められなかつた。
4. 同株中で赤果のC含量は青果のそれに比べて約1.3倍であつた。
5. 露地物のC含量は市販温室物のそれに比べて約1.4倍であつた。
6. 葉のC含量は一株中に109mgであり, 同株中の全果可食部のそれに比べて約8%に当つていた。
7. 果実10日間の貯蔵に際してC含量は, そのまま室温放置した場合には40%減少したが, 冷蔵した場合には殆ど変化がなかつた。
8. 水浸後10日間室温放置した場合は67%減少したが, アグリマイシン処理後同様にした場合には25%の減少であつた。
9. 水浸後10日間冷蔵した場合には32%減少したが, アグリマイシン処理後同様にした場合には5%減少した。
10. 葉の10日間の貯蔵に際してC含量は, そのまま室温放置した場合は98%減少したが, 冷蔵した場合は30%の減少であつた。アグリマイシン処理したものでは室温放置・冷蔵ともに水浸したものに比べて減少は大差がなかつた。

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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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