日本栄養・食糧学会誌
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“秤量法”, “買上げ計算法”, “思い出し法”によるタンパク質, およびナトリウム摂取量と実測値との比較
菅原 和夫熊江 隆町田 和彦島岡 章大下 喜子鈴木 継美
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1983 年 36 巻 1 号 p. 15-20

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抄録

同一食事について, 秤量法, 買上げ計算法, 思い出し法の3種の調査を同時に行ない。その結果につき三訂補食品成分表を用いタンパク質, ナトリウム摂取量を計算した。さらに買上げ計算法に用いたサンプルをホモジナイズし, 窒素量を測定し粗タンパク質量を求めさらにナトリウムを測定した。
計算値と実測値を比較すると,
1) 秤量法値と実測値との関係では, タンパク質についてはr=0.933と高い相関を示し実測値と計算値の平均値間に統計学的有意差を認めなかった。ナトリウムについては計算値と実測値間に有意の相関を認めなかったが, 両平均値間に有意差はなかった。
2) 買上げ計算法値と実測値との関係では, タンパク質については計算値と実測値間にはr=0.897の相関を認めた。なお, 両平均値に有意差があり, 計算値が実測値より少なかった。ナトリウムについてはr=0.478の相関を認め, 両平均値間には有意差はなかった。
3) 思い出し法と実測値の関係は, タンパク質については, 相関係数は0.715とやや小さかったが両平均値間には有意差を認めなかった。ナトリウムについては実測値と計算値の間には有意な相関を認めず, 両平均値の間には有意差は認められなかった。

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