日本栄養・食糧学会誌
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市乳乳清画分におけるRiboflavinの光分解とSuperoxide生成との関係
豊崎 俊幸山本 明美峰下 雄
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1983 年 36 巻 3 号 p. 159-162

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抄録
市乳中のRFの分解機構を解明する目的で, 市乳の乳清画分を用い, 照度および光量の変化に伴うRFの分解とO2の生成の変化を測定し, 以下の結果を得た。
1) 乳清画分を, 500lx, 2,500lx, 5,000lxおよび10,00lxで180分間光照射を行なった結果, 照度が高くなるほどRFの分解は急激に進行し, 光照射180分で, それぞれもとのRF含量の76, 79, 88, 93%が分解した。
2) 乳清画分を光照射すると, 照射時間とともにO2が生成され, 光照射90分で最大となった。O2の生成は, 照度の低いほど増加した。O2はSOD 10μg/ml加えることにより消去できたことから, O2がRFの分解機構に関与しているのかを見積もることが可能であると推定した。
3) SOD添加系でのRFの分解の抑制効果は, 500lx, 2,500lxおよび5,000lxで, SOD無添加系に比して, 光照射180分でそれぞれ27.4, 19.7, 14.4%が抑制された。10,000lxでは, SODを添加してもRFの分解は抑制されなかった。したがって, 照度の低い場合 ほどO2がRFの分解機構に関与している可能性が高いことを示唆した。
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