日本栄養・食糧学会誌
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食品中カルニチン含量の酵素法による検討
多田 真瑳子杉山 理小澤 高将
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1984 年 37 巻 1 号 p. 13-17

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抄録
アセチルカルニチントランスフェラーゼを用いる酵素法によって食品中カルニチン, FC, SC, LC, TCの各型に分けて定量した。
1) カルニチンは, 植物性食品にはほとんど含まれていないがそのなかでただ一つ, アボカドに顕著な含有量を検出することができた。
2) 魚介類のFCは, 白身の魚およびいわゆる背の青い魚に類するものでは比較的低く, 筋肉質のたこ, もいか, 貝柱, 赤貝等の含有量が高い。FC/TCは比較的新鮮なものに高く示された。
3) 獣鳥肉類において最も高い含有量を示したのは, 牛肉 (ランプ), サラミソーセージ, ハムB, ならびに豚肉 (ロース) でハムAは比較的少なくソーセージ類のほうが一部高く検出された。
4) 定量した動物食品のカルニチン含有量のおのおのの比率は一部を除いておよそ, FC 50~80%, SCは魚介類で30~50%, 獣鳥肉類20~35%, LCは両者を通して1~6%存在することが確認された。
5) 牛乳は他の研究者の分析値と同じくカルニチンの含有量は低かったが, FC/TCの比率は高く91%であった。
6) 豆乳にはカルニチンをほとんど含まず, 鶏卵ではまったくカルニチンを検出することができなかった。
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