日本栄養・食糧学会誌
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幼児期における窒素出納およびエネルギー利用について
北野 隆雄高橋 恵美池原 慶子小倉 希容子梶原 苗美松平 敏子小石 秀夫
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1984 年 37 巻 3 号 p. 203-208

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抄録

大阪市内の某福祉施設に居住する, 3~6歳の男児25名, 女児20名, 計45名を対象にN出納, エネルギー利用について調査研究を行なった。今回の調査において, 次のような結果を得た。
1) 身長, 体重, N出納, エネルギー利用等に男女間の差を認めなかった。
2) 日常食での平均N摂取量は403±9mg/kgであった。そのときのN吸収率, 体内N保留率は, それぞれ92.3±0.3, 16.9±1.6%であった。また, N摂取量 (Xmg/kg) と体内N保留量 (Y mg/kg) との回帰式は,
Y=-84.9+0.395 X (r=0.624, n=45, p<0.01) であった。
3) 日常食でのエネルギー摂取量は, 74.7±1.6kcal/kgであった。また, 日常食よりおよそ10gのタンパク質を減じた食事を与えたときのエネルギー摂取量も75.9±1.3kcal/kgと日常食との間に差は認められなかった。このときのエネルギー利用率は96.2±0.21%であった。また正味エネルギー利用率は, 93.9±0.3%であった。摂取エネルギー量 (X kcal/kg) と正味エネルギー利用量 (Y kcal/kg) との回帰式は,
Y=-0.769+0.950 X (r=+0.998, n=21, p<0.01) であった。
4) 尿中に排泄されたエネルギー量は, 日常食では, 1.70±0.14kcal/kg, 低タンパク質食で1.74±0.13kcal/kg, であった。また, 尿中N×6.25 (タンパク質1gに由来する量) に対するエネルギー量は, 日常食で, 0.88±0.05kcal/g protein, 低タンパク質食で1.25kcal/g proteinであった。

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