日本栄養・食糧学会誌
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納豆およびテンペーの製造過程における食物繊維の変化
田口 邦子河端 信大槻 耕三田中 敬子
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1986 年 39 巻 3 号 p. 203-208

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抄録
大豆発酵食品である納豆およびテンペーについて, 発酵による難消化性多糖の変化について検討を行なった。
納豆においては, 対照の蒸煮大豆に比べて, OIR中のDE量には, ほとんど変化が認められなかったが, ペクチン物質の含量が増加し, その構成糖では, ガラクチュロン酸, アラビノースおよびガラクトース含量が増加した。
テンペーにおいては, 発酵によりヘミセルロース量が減少した。これは, テンペー菌の生産した分解酵素により, ヘミセルロースが分解された結果と考えられる。一方, テンペーのシュウ酸塩不溶残渣中の構成糖として, とくにグルコサミン含量が増加したことは, 菌体不溶性多糖として, 新たにキチンが生産されたことが考えられる。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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