日本栄養・食糧学会誌
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アミクサ寒天の収率およびゲル化に及ぼす米糠水溶性画分・脂溶性画分の添加効果
今田 節子河原 近代高橋 正侑
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1987 年 40 巻 6 号 p. 509-511

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抄録

アミクサゲルの調製に米糠中のいかなる物質が関与しているかを知るため, 米糠を水溶性画分・脂溶性画分に分画しアミクサ寒天を抽出し, 寒天の収率・寒天ゲルの硬さ・抽出された粘質多糖類の分子量分布を測定することによって, その添加効果を比較した。得られた結果は以下のとおりである。
1) 米糠水溶性画分添加により得られたアミクサ寒天収率のほうが, 米糠脂溶性画分添加によるものに比べ, 高収率であった。
2) 米糠水溶性画分を添加して得られたアミクサ寒天はゲル化したが, 米糠脂溶性画分添加により得られたアミクサ寒天液はゾル状であった。
3) アミクサ寒天中の粘質多糖類をHPLC分析した結果, 米糠水溶性画分と米糠脂溶性画分で抽出された粘質多糖類は分子量分布の異なるものであった。以上の結果は, 米糠の水溶性画分にのみ, アミクサ原藻を軟化溶解させ, 粘質多糖類を溶出させることのできる物質が含まれていることを示唆するものであった。

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