日本栄養・食糧学会誌
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食品中の縮合リン酸塩含有量の測定
一色 賢司桃園 裕子衛藤 修一津村 周作
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1988 年 41 巻 6 号 p. 481-486

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抄録
縮合リン酸塩類の摂取原因となる食品を明らかにするために, まず分析法を迅速簡易化した。すなわち均質化した試料5.00gを遠心管に秤り入れ, あらかじめ氷冷した10%トリクロロ酢酸35mlを加えて3分間振とう抽出した。必要に応じて遠心分離を行い, 上清を綿栓ろ過してろ液を50ml容メスフラスコに集めた。1試料につき2本のイオン交換樹脂カラムを用いて, リン酸塩類の定性試験と分画を行った。オルトリン酸 (OP) は, モリブデン錯体として酢酸ブチルで抽出し, 310nmの吸光度を測定して定量した。各縮合リン酸塩 (CP) 分画は, 加水分解後, 発色させ830nmの吸光度を測定して定量した。
OPは, 全試料から検出された。各種のCPが, いも類豆類加工品, 肉類・魚介類加工品, 油脂類・乳類加工品およびその他の加工食品等から検出され, これらの食品がCPのおもな摂取原因食品であると推定された。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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