日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
ISSN-L : 0287-3516
台湾産および日本産茶種子の脂質の特性について
徳江 千代子片岡 栄子谷村 和八郎
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 42 巻 1 号 p. 71-77

詳細
抄録

台湾産大型, 丸型および日本産茶種子の成分および脂質の品質性状を明らかにした。
1) 種子中の脂質含量は, 台湾産大型が50.7%といちばん高く, 3種子とも高い油分を示した。タンパク質も9.7~13.5%含まれていた。
2) 種子脂質のAVは1.8~2.4, SVは197.3~199.4, IVは87.2~88.4と不乾性油としての性質を示すものであった。不けん化物は0.5~0.8%存在した。
3) 種子脂質の脂質組成はNLが90.7~94.4%, GLが3.6~7.4%, PLが1.6~2.0%であった。
4) 種子脂質のNL, GLおよびPLの脂質組成はNLはTGが75.5~80.1%と高い割合を示し, GLはASGとMGDGが多く, PLはPE, PCが多く認められた。
5) 種子脂質のTL, NL, GLの主要脂肪酸は, C18: 1, C18: 2, C16: 0であり, PLはC18: 2, C18: 1, C16: 0であった。
6) 種子脂質のDeMS含量は73~143.8mg/100g脂質で, その組成では7-スティグマステノール, スピナステロールが多く認められた。DMS組成についてはβ-アミリン, ルペオールが認められた。
7) 種子脂質の総Toc含量は14.2~33.1mg/100g脂質であり, α-Tocのみ認められた。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top