日本栄養・食糧学会誌
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全粒大豆の低水分系エクストルージョン・クッキングによる成分および栄養価の変化
古市 幸生窪田 靖司杉浦 洋一梅川 逸人高橋 孝雄河野 省一
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1989 年 42 巻 2 号 p. 165-172

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抄録
エクストルーダーによる大豆タンパク質の組織化に最低必要とされている140℃よりもかなり高い温度 (175, 216, 239℃) で全粒大豆を二軸エクストルーダーで処理し, 以下の結果を得た。
1) 処理温度が高くなるに従って褐変現象は顕著となったが, 塩酸加水分解後定量のアミノ酸の組成には差は認められなかった。さらに, FDNB法によって求めた有効性リジン含量についても変化は認められなかった。
2) レクチン, ウレアーゼおよびトリプシン・インヒビターはほぼ完全に失活した。
3) トリプシン・インヒビターの失活により, トリプシンによる人工消化試験での消化性は顕著に高くなった。また, 動物実験によって求めた栄養価 (PER, BV, NPU) についても顕著な向上が認められた。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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