日本栄養・食糧学会誌
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テンペ菌培養おからの組織・成分・物理化学的性質の変化
松尾 真砂子
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1989 年 42 巻 2 号 p. 173-178

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抄録
おから (OC) にRhizopus oligoporus (テンペ菌) を培養することにより, 加工性の優れた高繊維・低エネルギーの食品添加材料が得られるのではないかと考え, 検討した。おから製テンペ (OT) の特色を以下に述べる。
1) テンペ菌の菌糸は空洞になった大豆細胞の内部に網状に増殖していた。
2) OTはOCより遊離アミノ酸酸可溶性窒素, 遊離糖無機リンの各含量が多く, 総繊維量は少なかった。すなわち, テンペ菌によってOCの成分は低分子化され, 消化性が高まっていた。
3) OTは食物繊維を50%以上含み, エネルギー量は小麦粉の約1/2であった。
4) OTは保水力, 吸油力, 乳化力および抗酸化力が強かった。
以上の結果から, OTは加工性の優れた高繊維・低エネルギー素材であることがわかった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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