日本栄養・食糧学会誌
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亜鉛欠乏ラットの組織亜鉛含量および血清アルカリフォスファターゼ活性に及ぼすアルカリ処理大豆タンパク質投与の影響
則井 孝文鈴木 博雄
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1990 年 43 巻 4 号 p. 255-261

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抄録
ラットの亜鉛要求性とタンパク質の栄養価との関係を知るため, ラットの血清アルカリフォスファターゼ活性および血清, 大腿骨, 肝臓, 腎臓, 大腿骨周囲の筋肉の亜鉛量に及ぼすアルカリ処理大豆タンパク質 (AP) 投与の影響を検討し, 以下に示す内容が明らかとなった。
1) 亜鉛欠乏条件の場合, 10% AP食摂取ラットの血清アルカリフォスファターゼ活性, 血清および大腿骨の亜鉛量は10%大豆タンパク質 (DP) 食摂取ラットよりも高く, 20% AP食摂取ラットよりも高い値を示した。
2) 亜鉛欠乏条件での10% DP食摂取ラットの血清および大腿骨の亜鉛量は, 10% AP食摂取ラットよりも速やかに低下した。
3) 10% AP-亜鉛欠乏食を摂取したラットの寿命は10% DP-亜鉛欠乏食摂取ラットよりも延長した。
4) 以上のことから, 10% AP-亜鉛欠乏食を摂取したラットは10% DP-亜鉛欠乏食を摂取したラットよりも体内亜鉛が不足しにくく, 亜鉛要求性は低いと推定された。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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