日本栄養・食糧学会誌
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食物繊維を添加した経腸栄養剤がラット小腸の機能および絨毛の形態に及ぼす影響
佐々木 久仁恵浅野 敏雄大石 順一杉原 太助山口 泉伊木 明彦川路 博志吉田 幸司
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1993 年 46 巻 1 号 p. 63-68

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抄録

生後5週目のwistar系雄性ラットを飼育繁殖用飼料投与群 (CE-2群), 食物繊維 (微結晶セルロース) を含む経腸栄養剤投与群 (L-X群), 食物繊維を含まない経腸栄養剤投与群 (EN群) の3群に分け, 経口制限摂取により2週間飼育した。胃の排出能, 小腸の輸送能および十二指腸部の絨毛高はEN群で有意に低下または萎縮したのに対し, L-X群はCE-2群まで回復した。しかし, 消化管通過時間はL-X群およびEN群ともにCE-2群より有意に遅延し, 回腸末端部の絨毛高もL-XおよびEN群で有意に萎縮した。食物繊維 (微結晶セルロース) を含む経腸栄養剤の投与は, 胃から上部小腸を正常な状態に維持することが示唆された。

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