日本栄養・食糧学会誌
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高血圧者に及ぼすクロレラの影響
井上 清向山 美雄岡 博三沢 宏
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1995 年 48 巻 6 号 p. 485-489

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抄録

非薬物療法で経過観察可能と判断された軽症ないし境界域一次性高血圧患者23名を対象にした, クロレラの投与試験を実施した。患者のうちクロレラの摂取を理解し積極的に協力してくれた13名に, 他養的に純粋培養したクロレラを毎日1.5g, 6カ月間投与した (クロレラ群)。他の10名は生活指導のみによる経過観察とした (対照群)。両群の高血圧症関連の諸臨床症候の推移を観察し, 以下の結果を得た。
1) クロレラ群は, 摂取3カ月後から収縮期血圧および拡張期血圧が有意に低下した。試験前値に比べ6カ月後の血圧下降度は, 収縮期血圧が14.1±1.9mmHg, 拡張期血圧が6.3±1.8mmHgであった。「降圧薬の臨床評価方法に関するガイドライン」に示された降圧度判定基準によると, クロレラ群13例中3例が「下降」, 5例が「下降傾向」, 5例が「不変」であった。一方, 対照群では, 試験期間中血圧の有意な変化は見られなかった。
2) クロレラ摂取の前後に行ったアンケート調査から, 高血圧症関連の愁訴の減少と全体的な体調の改善が見られた。
3) クロレラの摂取による副作用は, アンケート調査, 臨床検査から認められなかった。
以上の結果から, クロレラの摂取は軽症の高血圧症の改善に有効であることが示唆された。

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