日本栄養・食糧学会誌
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ニンジンおよびトマトジュースの連続摂取による血清中カロテノイド, レチノール濃度の変化
坂本 秀樹大嶋 俊二小嶋 文博石黒 幸雄小川 睦美福場 博保
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1997 年 50 巻 1 号 p. 21-24

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抄録
ニンジンジュースおよびトマトジュースの連続摂取に伴う, 血清中カロテノイド, レチノール濃度の変化を検討した。健康な女子大生64名を, 1日2本のニンジンジュース, トマトジュース, 対照としてリンゴジュースの飲用区に分け, 各々1日2缶, 6日間の摂取を行った。その結果, 以下に示す内容が明らかとなった。
1) ニンジンジュースの連続摂取により, β-カロテンとともにα-カロテンの有意な血清濃度の上昇が認められた。
2) トマトジュースの連続摂取により, リコペン濃度の有意な上昇とともに, 含有量の少ないβ-カロテン濃度も上昇傾向を示した。
3) ニンジン, トマトおよびリンゴジュースの摂取によるレチノール濃度への影響は認められなかった。
4) 以上の結果から, ニンジンおよびトマトのジュース形態による連続的な摂取は, カロテノイドの血清中の濃度の上昇に有効であることが明らかとなった。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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