日本栄養・食糧学会誌
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高脂肪高コレステロール食飼育ラットの脂質代謝に及ぼすユッカサポニンおよびコンニャク精粉の影響
辻原 命子谷 由美子
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1998 年 51 巻 4 号 p. 157-163

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抄録

9週齢の Wistar 系雄ラットにユッカサポニンを投与し, 脂質代謝に及ぼす影響について, コレステロール吸収抑制効果の知られている大豆サポニンおよび食物繊維のコンニャク精粉と比較し, さらにユッカサポニンとコンニャク精粉の同時投与の効果もしらべた。結果は以下のとおりである。
ラットを対照群, ユッカサポニン群, 大豆サポニン群コンニャク精粉群およびユッカサポニン・コンニャク精粉群の5群に分け, 4週間コレステロール添加の高脂肪食で飼育し, 後半の2週間に試験食を投与した。対照群に比べて飼料摂取量は, 各群とも差がなかったが, コンニャク精粉群とユッカサポニン・コンニャク精粉群は腹腔脂肪率が減少した。ユッカサポニン群とユッカサポニン・コンニャク精粉群は糞中コレステロール排泄率が増加し, 血清および肝臓 Chol が低下した。大豆サポニンとコンニャク精粉群は糞中コレステロール排泄率の増加は認められなかったが, 大豆サポニン群は血清T-chol が低下した。肝臓のTL, Chol およびTGはユッカサポニン群で減少し, ユッカサポニン・コンニャク精粉群でさらに減少した。

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