グルコース代謝とNの出納試験を高P食投与時にみられる成長の変化とあわせて検討するために, 高P飼料を自由摂取させた群, その飼料摂取量に合わせて正常飼料を摂取させた群と正常飼料を自由摂取させた群の3群を設け, 3週間の飼育を行った。その結果, 高P飼料を与えることにより, 体内N保留率は尿中N排泄率の上昇により低値を示すとともに, 尿中3-メチルヒスチジン排泄量が上昇した。さらに, 血清グルコース濃度には飼料を自由摂取させた2群間では差はなく, 制限給餌することにより有意に低下した。また, 高P食を投与することにより肝臓G6Pase活性は低下し, 肝臓中グリコーゲンの残存が観察された。高P飼料を投与することによって, グルコースや脂肪酸によるタンパク質の節約作用が低下し, タンパク質がエネルギー源として利用される可能性が示唆され, 成長抑制への関与が推測された。