日本栄養・食糧学会誌
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食事摂取基準検討委員会・ビタミン標準化検討委員会報告書血中のビタミンC測定法標準化ならびに基準値に関する報告書
高速液体クロマトグラフィーによる測定法を中心に
藤原 葉子大塚 惠渭原 博伊藤 信吾藤崎 誠猪俣 美智子苫米地 幸之助小高 要五十嵐 脩奥田 邦雄美濃 眞千畑 一郎橋詰 直孝糸川 嘉則
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2001 年 54 巻 1 号 p. 41-44

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抄録
ビタミンC測定法, および血中の総ビタミンC値の基準値 (参考値) を検討した。健康な女子大生ボランティア54人に, 3日間の食事調査の後, 採血し, ビタミンCを1日200mg含む一定の試験食を3日間供した。3日後に再び採血を行い, 得られた血漿のビタミンC濃度を測定した。測定は3カ所の施設でHPLC法 (お茶の水女子大学, テイジンエスアールラボ) およびアスコルビン酸オキシダーゼ法 (東邦大学) を用いて行い, 各施設での測定値の比較も行った。総ビタミンC濃度の試験食摂取前値と後値では平均値に有意な差はみられないが, 後値ではばらつき (標準偏差) が小さくなり, ビタミンCの一定量摂取が, 血中濃度に影響を与えることが示唆された。前値でビタミンC濃度が低値にあった学生では, ビタミンCを1日200mg, 3日間摂取することで, 血中濃度は0.62mg/dL以上の範囲に入った。異なる測定方法による施設間差は認められず, 従って, 統計的に95%の信頼範囲から血中総ビタミンC濃度の基準値は0.70-1.38mg/dL (HPLC/ECD法) となった。この値は栄養所要量算出の際に基準とした値 (0.7mg/dL)とも一致した。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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