日本栄養・食糧学会誌
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ベニバナ成分の生体内における抗酸化作用
松葉 滋山田 則子山崎 卓也田渕 三保子小野寺 準一
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2003 年 56 巻 6 号 p. 365-369

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抄録
ベニバナの生体内における抗酸化作用を検討するために, ベニバナ花弁のメタノール抽出物を低ビタミンE飼料負荷ラットに4週間投与した。その結果, 肝臓の過酸化脂質低下および動脈硬化指数の軽減作用が明らかとなった。そこでその効果がベニバナのどの成分に起因するのかを検討するために, メタノール抽出物 (M) を脂溶性部 (A) と水溶性部に分け, 水溶性部はポリアミドカラムクロマトグラフィーにより, 主成分として糖, タンパク質を含む画分 (B), フラボノイド配糖体を含む (C), サフラワーイエローを含む (D) に粗分けした。なお紅色色素成分カルタミン (E) は, 別途発酵ベニバナより調製した。これらの分画部を同様に低ビタミンE飼料負荷ラットに4週間経口投与した。その結果, 分画部A, Bは血中および肝臓の過酸化脂質を有意に低下させた。さらに分画部D, Eには動脈硬化指数の低下が認められた。以上の結果よりベニバナ花弁には生体内の過酸化脂質を低下させる成分と脂質代謝を改善させる成分が含まれていることが明らかとなった。
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