日本栄養・食糧学会誌
Online ISSN : 1883-2849
Print ISSN : 0287-3516
ISSN-L : 0287-3516
糖転移ビタミンPの抗酸化作用と高脂血症マウスにおける酸化ストレス抑制効果
山田 未佳三皷 仁志津崎 ゆかり三輪 尚克茶圓 博人山本 格
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 56 巻 6 号 p. 355-363

詳細
抄録

ルチンおよびヘスペリジン (ビタミンP) は抗酸化作用を有し, さまざまな疾患に対し予防・改善効果を発揮することが期待されている。しかしながら, 水に対する溶解度がきわめて低く, その効果を十分に活用できなかった。グルコースを付加した糖転移ビタミンPは, ビタミンPと比べ水溶度が1万倍以上に向上した。われわれは, 糖転移ビタミンPの抗酸化作用を評価し, また, 高脂血症においてフリーラジカルに起因する酸化ストレスに有効かどうかを検討した。糖転移ビタミンPは, in vitro においてビタミンPと同等の抗酸化作用を保持し, これらを経口投与したラットの血漿は, 硫酸銅による脂質過酸化が抑制された。また, 糖転移ビタミンPは, 高脂肪食で誘発した高脂血症マウスの血中総コレステロール (Chol) および HDL-Chol を有意に低下させた。高脂血症マウスでは, 血中および眼球中の過酸化脂質が有意に増加し, 酸化ストレスの亢進が示唆された。糖転移ビタミンPはこの増加を有意に抑制した。さらに, 糖転移ビタミンPは, 高脂血症マウスにおいて亢進したインターロイキン (IL)-1β, インターフェロン (IFN)-γおよびIL-4産生を有意ではないものの抑制していた。以上の結果から, 糖転移ビタミンPは生体内で抗酸化作用を発揮することにより, 高脂血症において亢進した脂質過酸化および炎症反応を軽減させることが明らかとなった。

著者関連情報
© 社団法人日本栄養・食糧学会
前の記事 次の記事
feedback
Top